洗練した「おしゃれ」に込めた建築家の拘り|-和室-
意匠堂には「おしゃれ」な家を建てて欲しいというお客様が多く来られます。
ただ、一言で「おしゃれ」と言いましても様々ございます。
ここではお客様からこんな感じにして欲しいとリクエストの多い画像を
今回は「和室について」列挙してみたいと思います。
画像をクリックで詳細施工事例をご覧頂けます。
◆和室
現代の住まいは、効率と機能を追求するあまり、時に“呼吸”を失いがちです。
そこに畳の匂い、障子越しの光、無垢の木の温度が加わることで、空間は再び人の感覚に寄り添う。
和室は、単なる懐古ではない。
フラットな床の連続性はモダンリビングに自然と馴染み、客間・寝室・ワークスペースと自在に姿を変える。
その柔軟さこそ、現代建築が忘れがちな“余裕”を思い出させてくれるのだ。
和の空間に息を吹き込む
和室は、伝統の名残ではなく、現代の住まいに呼吸を与えるデバイス。
畳の柔らかな質感、障子を透かす光、格子の影が重なり合うとき、空間に穏やかなリズムが生まれます。
静けさの中に漂う緊張と安らぎ。そのバランスこそ、和室が持つ美の本質です。
余白と間
畳と障子がつくるのは「空間」ではなく「間」。
余白の取り方ひとつで、空気の流れが変わり、暮らしの速度が整う。
装飾を削ぎ落とすほど、光と影が主役になる。和室は、静寂そのものをデザインした空間と言えます。
現代建築と和室
モダンな素材に囲まれた空間に、畳を一枚置くだけで空気が変わる。
木、石、鉄、そして藺草。異なる質感(コントラスト)が交差し、空間に奥行きが生まれる。
リビングに隣接する和室は、客間にも、書斎にも、ひとりの静かな場所にも変化する。
機能と情緒が同居する柔らかい境界線、それが現代の和室だと言えます。
和室の装置性
和室は建築に陰影をもたらすデバイス。
床の間や格子をモダンに解釈することで、伝統と現代が交わり、新しい表情を見せる。
構成はシンプルであっていい。余白の中に宿る美意識が建築家が想う奥行きのあるおしゃれへ繋がります。
日常に溶け込むおしゃれ
和室の存在は、暮らしの中に静かな余韻を残す。
朝の光が畳を滑る瞬間、夜の灯が障子に滲む時間。
そのわずかな変化が、何気ない日常を特別なものへと変えていく。
様々な意味をもって和室の存在は現代建築へのスパイスだと言える空間。
デザインの洗練とは、足し算ではなく引き算に宿る。
和室は、静けさと素の美しさで 余韻を仕掛けて整える、建築のアクセント。
モダンな住まいの中で、ほんの少しの和があるだけで、日常は深みを帯びていきます。

床の間をRに
歪みのある円形の床の間は、侘び寂びの美を映し出す余白。
節句飾りや生け花を置けば、光と影に包まれた空間がひときわ映え、
和室におしゃれな静謐と品格を添える。
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リビング一体型(茶室風)
畳敷きの小上がりに茶室の所作を想わせる設えを忍ばせ、凛とした落ち着きを醸す。
光と陰影、中庭の景を計算し、素朴に潜む美を引き出す、おしゃれな和の居心地を実現。
時を超えるデザイン
和室は、流行を超えて存在し続けるデザイン。
畳の香り、木の温もり、光と影の呼吸。
それらが織りなす空間には、時の経過すら美しく映える。
おしゃれとは、飾ることではなく、静けさを纏うこと。
和室はその象徴であり、建築の中に永く息づく美であるでしょう。

和泉 尚志 代表取締役社長

