建築会社選びのヒント|口コミ・評判だけに惑わされない本質的な見極め方
建築会社選びってとても難しいですね。
「住宅情報誌」「住宅展示場」「相談カウンター」「ウェブサイト」「SNS」「口コミ」などなど、現代では家づくりにかかわる情報が多く手に入るようになりました。
はじめに:情報の時代に、建築会社選びはどう変わる?

家づくりを考えはじめたとき、最初の大きな悩みは「どの建築会社を選べばいいのか」ではないでしょうか。
SNSや検索結果には、施工写真や「お客様の声」などがあふれていますが、そのすべてが正確とは限りません。
画像は加工され、文章は美しく整えられ、都合の悪いことは伏せられているかもしれません。
では、何を基準に会社を選べばいいのでしょう?
今回は一建築家の視点から、“本当に信頼できる建築会社”を見極めるポイントをご紹介します。
1. クチコミを見るなら「Googleのクチコミ」がおすすめ

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ネット上には様々な口コミがありますが、最も信頼性が高いのはGoogleマップの口コミです。
なぜなら、投稿された口コミは建築会社自身が削除・編集できないため、実際に依頼したお客様の“生の声”が反映されやすいからです。
なお、Googleの口コミでは「身内からの評価ばかりだと評価が上がりにくい」という特徴もあり、だからこそ高評価が多い会社は、実際の施主から信頼されている証とも言えます。
2. 展示場よりも「オープンハウス」をチェック

住宅展示場のモデルハウスは、豪華な仕様や最新設備がふんだんに盛り込まれており、実際の暮らしとはかけ離れていることも。
一方、オープンハウス(完成見学会)は、一般のお客様が建てた家を期間限定で公開するもので、より現実的で等身大の家を見ることができます。
「この家でどんな暮らしができるか?」をイメージするには、オープンハウスの方がはるかに参考になります。
室温や空気の流れも体感できる貴重な機会です。
自身にとっての家づくりに対する優先事項や不要要素、好みなど、より本質的なニーズの洗い出しにも最適です。
3. 建築士がいるかどうかは、信頼の基準になる

どんなに立派なホームページでも、プランを提案するスタッフが建築士の資格を持っていなければ、設計の根拠や性能への理解に不安が残ります。
私自身、大手ハウスメーカーを扱う会社に勤めていた時代、無資格の営業スタッフが大半だった経験があります。
スタッフ紹介ページなどで、建築士資格を持つスタッフの人数をぜひチェックしてみてください。安心感がまるで違います。
4. 施工実績は「量と質」の両面で判断

見栄えの良い施工事例だけを並べているホームページをよく見かけますが、信頼できる会社はすべての施工実績を包み隠さず公開している傾向にあります。
オープンハウスを全棟開催している会社であれば、「どの住宅も一定水準以上である」自信の表れとも言えるでしょう。
※もちろん、お施主様の都合で非公開の場合もあるので、開催数がすべてではありません。
つまり、“施工実績”を見ると、見えてくるものがある。
過去の家づくりが「これからの信頼」につながる誠実さを表しているといえるでしょう。
5. “アフター体制”は表には見えない信頼の証

どんなに施工が丁寧でも、暮らし始めてからのアフター対応が悪ければ本末転倒です。
「アフター専門部門がある=安心」と思われがちですが、設計・施工の経緯を知らない担当が来るケースも多く、対応が後手に回ることも。
つまり、アフター対応は“誰が”“どう対応するか”がカギ。
たとえば当社では、アフターメンテナンス専用のLINE窓口を設け、24時間好きなときにご連絡いただける体制を整えています。
メッセージは社内全体に共有されるため、対応の透明性も担保されます。
また、定期点検には設計・施工を担当したスタッフだけでなく、代表取締役が立ち会う体制をとっており、長期的な住まいの安心を支えています。
最後に:評判よりも“本質”を見極める

どんなに口コミや評判が良くても、実際に信頼できるかどうかは、あなた自身の目と耳で確かめることが大切です。
- 気軽に相談できる雰囲気か?
- 誠実な対応をしてくれるか?
- 話した内容をきちんとプランに反映してくれるか?
これらを見極めるには、まずは会ってみることです。
思い切って扉を開けてみることで、直感的に感じる“信頼できるかどうか”という感覚が、何よりも正確かもしれません。

和泉 尚志 代表取締役社長